最先端研究

航空・宇宙・発電ビジネスから見る炭化ケイ素の可能性

炭化ケイ素は、炭素(C)とケイ素(Si)が1対1で結合させた化合物で、
天然にはほとんど存在せず、宇宙から降り注ぐ隕石の中に僅かながら含まれています。
人工的に製造する事ももちろん可能です。

 

特徴としては、高硬度で耐熱性・耐久性に優れており、研削砥石や研磨布紙の原料、
耐火物や発熱体として利用されています。また、酸化にも強いので、各種ルツボ、
窯炉焼成用部品、メカニカルシール、半導体製造用部材原料として使われる事もあります。

 

この物質は、前述のような特性を持っているので、航空・宇宙・発電ビジネスなどの過酷
な条件での活躍が期待できる化合物です。

 

航空機ビジネスについて言えば、この炭化ケイ素を元に作られた繊維は、千数百度に
およぶ高温大気中においても、優れた強度と弾性率を誇り、近年では、次世代の航
空機用エンジンの部品に利用され、機体の軽量化にも寄与しており、そのおかげで
耐久性・燃費性能も大幅に向上させる事が可能になりました。

 

通常の半導体に比べて、この炭化ケイ素を用いた半導体は、電流を流したり止めたり
するオン・オフ時の電力損失が少ない事から自動車の電気自動車のエンジンにも、
応用が期待されています。

 

発電ビジネスにおいては、腐食に強いという性質を利用して、地中に炭化ケイ素製の
熱交換器を設置して、火力発電と似たような発電を行う発電方式の地熱発電「加
圧水型同軸熱交換方式」が研究されています。従来の地熱発電では、地下から熱水
を汲み上げるので、温泉の枯渇や水分中に含まれる成分で、タービンの金属が腐食
して出力が落ちる事がありました。

 

この方式が実を結べば、金属の腐食はもちろん、有害ガス除去設備が不要になる為、
コストダウンが可能になります。最終的には、人間の決して立ち入れないような
マグマまで到達する事を目標にしています。

 

このように、炭化ケイ素には様々な長所がありましたが、今まではなかなか活用方法
が開発されませんでしたが、今後の技術研究によっては、さらに活用される分野が広
がる可能性もあります。