最先端研究

炭化ケイ素の短所とは

炭化ケイ素は優れた素材であり、その特長を生かしてすでにいろいろなところで応用されていますが、
短所もあります。その短所を一言で言えば、技術がまだ開発途上にあることだと言えるでしょう。

 

具体的には、通電時の抵抗が増加する現象などが観察されています。これによって発熱が起こり、
それが機器の寿命を短くする原因になると考えられます。理論的には優れた素材なのですが、製品
として大量生産をすれば不良品が生じやすいのです。製品として採用するためには、まだ技術が
不完全で、信頼性が低く、従来のものに取って代わるだけの技術はまだ開発されていないと考えられます。

 

半導体として用いる際には、ウエハーを作成して、そこから素子を作っていくわけですが、シリコンに比
べると炭化ケイ素は結晶欠陥が生じやすいという特徴があります。シリコンはケイ素という単一の元
素から作られますが、炭化ケイ素はケイ素と炭素の二つから作られるために、欠陥が生じやすいと考
えられるのです。

 

現在では、この短所を最小化するためにいろいろな技術が開発が行われています。まず、ウエハー
自体の結晶欠陥密度を下げる研究開発が行われています。密度を下げることができれば信頼性
は高くなると考えるのは自然なことでしょう。それとともに、欠陥が生じていても信頼性が低下しない
ような技術も開発途上にあります。欠陥が生じたとしても、信頼性が低下しなければ良いのですが
、そのためには製造プロセスを工夫することや、デバイスそのもの構造を工夫することなどが求めら
れていると言えるでしょう。

 

もう一つの短所はコストです。まだ製造コストが高いという現状があります。耐久性が優れているこ
とや、高温にも耐えられることなどから、すでにそれが必要な部分には応用されていますが、一般
的に普及するためにはコスト削減が必須だと考えられています。従来製品の3倍以上のコストがか
かるのが現状で、このコストが低下しなければ、普及しないと考えられます。