最先端研究

炭化ケイ素の特徴とは?

炭化ケイ素(SiC)は一般的に片仮名表記でシリコンカーバイド(Silicon Carbide)とも呼ば
れる固体で、全ての炭素原子(C)が共有結合により四面体の結晶構造を形成するダイ
ヤモンドと、ケイ素(Si)原子のみから四面体の結晶構造を形成しているシリコン結晶とよく
似ており、物理的特性を比較すると硬度や熱伝導度、密度がダイヤモンドとシリコン結晶
の中間的な性質を持っています。

 

自然界に存在する炭化ケイ素の結晶は極めて稀で、元々地球上に存在しておらず隕石中
にわずかに含まれているのみでモアッサン石(Moissanite)またはモアサナイト、モアッサナイトと
呼ばれている鉱物中に見いだされます。現在、材料として使用されている炭化ケイ素は工業
的に大量合成されており、19世紀末に工業化に成功した会社の商品名であるカーボンラン
ダムとも呼ばれています。シリコンカーバイドは工業的に大量合成されており、物理的な特徴
としては結晶の光沢を呈していて製品は黒または緑色の粉粒体として販売されています。
材料としての特性は水に不溶で熱伝導率や硬度、耐摩耗性や耐薬品性に優れた材料で
融点が2730℃と非常に高く、耐久性や高温に晒される部品の材料として多用されています。

 

さらに不純物を含んだシリコンカーバイド結晶は半導体としての性質を有するので電子デバイス
の材料としても用いられていて、近年では鉄道車両用に大電流にも耐えられる整流用ダイオード
としても実用化されています。初期の青色発光ダイオードの素子としても使用されていました。
シリコンカーバイドはエレクトロニクス分野以外にも耐久性が必要とされるセラミックス材料や
ディーゼル車の排ガス用集塵用フィルター(DPF)材料としても用いられています。さらに航空
宇宙分野や原子力分野での利用も研究が進められており、高温下においても非常に高い
耐久性を有するという特徴を生かして、近い将来に旅客機用のジェットエンジンにも使用される予定です。