最先端研究

炭化ケイ素の原料ってなに?

炭化ケイ素はその名のとおり、炭素とケイ素の化合物で、その歴史は意外と古く1900年代の初め
からあります。もともとはダイヤモンドを合成しようと試みた、アチソンという人が偶然発見したのが始
まりです。

 

その時は原料として石英とカーボンを混ぜ合わせ、電気を流して発熱させることで合成しました。
アチソンが今までにない硬いものができているに気づき、発見に至っています。今でも、この方法は
アチソン法という合成法として残っています。原料である炭素とケイ素をアチソン炉という電気炉に
詰め、電流を流して炭化ケイ素のインゴットを作る方法です。この方法のメリットは、他の方法と比
べて、原材料費を安く抑えることができるメリットがあり、だいたい10分の1から100分の1程度の値
段で抑えることができます。

 

他の方法では気相反応法によっても製造することができます。この時はシランガス、メタンガスの
反応を利用したり、ポリカルボシランの熱分解によって合成することができます。特徴としては先の
アチソン法より、粒子が小さく精度の高いものを合成することができるということです。だいたい
0.1μm以下の超微粉末の粒子を高純度で合成することができます。この時の炭化ケイ素は
β‐SiCと言われており、アチソン法でも低温領域での反応で合成することができます。

 

炭化ケイ素はダイヤモンドや炭化ホウ素に次ぐ硬度を誇っており、原料である炭素とケイ素の
中間のような性質を持っています。その硬さと熱膨張係数の小ささ、ひずみにくさから高精度が
必要とされる光学部品や基盤などに利用されています。また、耐熱性、耐食性にも優れてお
り、各種るつぼや焼結用治具、メカニカルシールにも利用されています。

 

最近では絶縁破壊強度の強さや、バンドギャップの広さ、ドープできる添加物の範囲の広さから、
パワーデバイスとしての用途も期待されています。
このように様々な分野で活躍する炭化ケイ素は、私たちの生活になくてはならないものです。