最先端研究

知っておくべき「炭化ケイ素と原子力の関係」

 炭化ケイ素は、非常に耐火性に優れ、分解する温度は約2545度で、ほぼ大気圧下では溶解するこ
とは無い物質です。そのため、原子力の分野で非常に今後の用途が期待されている物質です。
構造は、正四面体の分子構造で、頂点にケイ素原子あるいは、炭素が存在する構造です。ちなみ
に、すべての頂点が炭素になっている構造がダイヤモンド、すべてがケイ素になっている構造が、シリコ
ンになります。このような構造になっているため、性質的には、ダイヤモンドとシリコンの中間のような
性質を持っています。高度的には、ダイヤモンドや炭化ホウ素に次ぐ、地上で3番目に硬い物質とされています。

 

また、炭化ケイ素は、熱を伝える性質が非常に強い上に、熱膨張率が非常に低く安定しているため、
熱衝撃に対しても非常に優れた性質を持っています。また、700度以上から酸化が始まり、その酸化
物である酸化ケイ素が保護膜となって酸化を防ぐため、耐酸化性にも優れています。見た目の材料
は、黒もしくは緑色の結晶の光沢を持つ粉末として市場には出回っています。この物質は、アメリカ
でダイヤモンドを合成しようとしたときに偶然発見されたものとされています。化学式は、SiOで非酸
化性セラミックスの一種です。

 

 炭化ケイ素はこうした性質を持つため、三菱重工が研究中の超高温原子炉の燃料皮膜に使用
されていたり、東芝が開発した燃料集合体カバーにも使用されています。
 炭化ケイ素は、融点が非常に高いため、水との反応も非常にしにくく水素の発生するリスクも抑えら
れるため、その安全性は注目されてきました。しかし、今まで製品を量産することが困難だった為、
製品化されてきませんでした。しかしながら、先ほど述べた、三菱重工や東芝などの研究開発がす
すみ、量産化がこれかされるめどが立っています。
 原子力の分野においては、こうした、硬度、高い熱伝導率と低い熱膨張率、耐酸化性、耐熱
性を備えた物質が求められており、炭化ケイ素はこれから更に注目された素材であることは間違いありません。